「大の風呂嫌い」からどれ程経ってからであろうか。今となってはもう遠い昔の話のように思えるが、当時は本当に大変であった(詳細は3月9日投稿の「大の風呂嫌い」をご参照)。
恐らく1~2週間くらいあの状態が続いたであろうか。ある日家内が(どんぐりママが)下の写真にあるような帽子を購入した。
何のことはない、「水よけ帽子」でこれを頭にかぶると上からお湯をジャージャー流しても顔面はセーフなのである。
もちろん、どんな素晴らしい機能であろうとこれを見ただけで2歳児(当時)が納得するはずがない。大人でもぱっと見では「本当に上からかけても顔にかからないのかな。頭と帽子の間に隙間があればお湯がそこに流れ落ちて顔面どしゃぶりになるのでは」と不安になるものだ。
ある意味、父親も一緒に「トラウマ体験」しているから余計に。
確か「えゆ」で実験してみて大丈夫であることを確認したと記憶している。双子の場合、これは大きな利点だと改めて感じた(今思えば、失敗してたらどうすんじゃ、二人ともお風呂で泣き叫び・・・考えただけでも恐ろしい)。
とはいえ、「かゆ」をなだめすかして頭に被せるのですら相当苦労した。ただ、本人も「帽子を被るか否か、それが問題だ」とTo be or not to beという状況が本能的に理解できたのか、とり合えず帽子を被ることは受け入れてくれた。
ただし、最初からいっぱいジャーと流すようなヘマは禁物。実際そうしても顔面にはかからないように出来ているスグレモノだが、心理面が重要なので。ちょっとずつお湯を後頭部にかけ、本人を安心させながら、「おっ、何だこれなら大丈夫だぞ」と思わせる工夫を要した。毎回そうやって徐々に流すお湯の量と回数を、気づかれないように増やしていった(この加減がまた難しい)。
何はともあれ、一ヶ月くらいはしぶしぶ頭にかぶり、警戒感が中々抜けなかったものの、2ヶ月も続けているうちにだんだん平気になり、しばらくすると上からジャーとかけてもこの帽子さえ被っていれば全く動じなくなった。
さらに、最近では時々「ちょっととるぞ」と断ってから(この安心させる一言が大事なのは言うまでもない)この帽子を一瞬とり、頭の前方や側面など、帽子を被っていては洗うのが難しい部分をゴシゴシとシャンプーしてやり、また帽子を被せて「はい、いきますよー」とお湯をかけ、また一瞬帽子をとってから今度はお湯が前に流れないように頭を傾斜させながら慎重にちょろちょろと(この間どんぐりのお父さんは、また「あの悪夢」が甦りませんようにと冷や冷やしながら)お湯をかけて仕上げるのである。
ただし、「帽子は今日はとろうか」と聞くと「ねー(Nieの意)」と必ず 却下するので、ようは「お守り」のような存在として今でも必ず被せてやることにしている。
ちなみに「えゆ」は最初からこの帽子が嫌いで、被ったことは1回しかない。彼はトラウマ体験をしていなかったので。「かゆ」にとっては救世主のような存在のこの水よけ帽子は無用の長物以外の何物でもない。
何はともあれ、おかげで「かゆ」はまたお風呂が大好きになった。
めでたし、めでたし。
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