2011年12月20日火曜日

初雪

ついに降った!

雪が、である。

すでに先週南ドイツでは大雪が降り、強風を伴って天候は荒れに荒れて大変なことになったそうであるが、ここデュッセルドルフは今日が初雪。

先週末は雹が集中的に降って地面一面真っ白になったが、雪ではなかった。

今もしんしんと降っているのでこれは明朝積もるかも♪

2011年12月5日月曜日

泣き虫幼稚園

幼稚園に行くと必ず泣く。とにかく泣く。

8月末から通い始めて既に3ヶ月経っているにもかかわらず、である。

当初はひどく、家を出るところからオイオイ泣き出し、朝から近所迷惑。いつも同じ時間帯(9時少し前)に出るのですれ違いの通勤や通学する方々にも「またあいつらか」と顔を覚えられてしまっているようである。

1ヶ月くらいすると道中泣かなくなったが、幼稚園に入って着替えさせて「象さん組」の部屋のドアをくぐったとたんに父ちゃんの足にしがみついて泣き出す。

幼稚園の先生たちが、特には二人がかりでどんぐりたちを羽交締めにして抑えにかかり、ようやく父ちゃんは開放されて幼稚園を後にすることができるのである。毎日毎朝こんな調子。先生もそろそろうんざりしてきた。

ところが、最近徐々に変化が現れてきた。

毎週金曜日には自分のおもちゃを幼稚園に持って行ってもいい日。つい2週間前のことであろうか(11月半ば)、どんぐりたちのお気に入りのおもちゃをリュックにいれて登園。とりあえず通園途上では泣くこともなく無事到着。

着替えるところで少しベソをかき出したので、「ベソかいたらおもちゃを父ちゃんがおうちに持っていっちゃうぞ。泣き止むなら渡してあげる」と半ば脅しをかけてみた。どんぐりたちも意味がわかったらしく、どうやら一生懸命こらえている様子。

ベンチに腰掛けさせておもちゃを手に持たせ、その場を去った。廊下を行く途中で振り返って見たら、ちゃんとベンチに腰掛けているではないか!こっちに向けたその顔は今にも泣き出しそうであったが。そのうち、同じ組の面倒見のいい年上の女の子達がどんぐり達のそばにひざまずき(!)、ひざや手をなでて宥めている様子が肩越しに見られた。「かわい子ちゃんたちに囲まれてええのー」 と父ちゃんはちょっと嫉妬したが、この二人の女の子には本当に感謝。

というわけで、少しほっとした。

翌週の月曜日はまたいつもと同じであったが、、、

どんぐり語講座(上級編)

前回1月にどんぐり語講座(中級編)を紹介してから大分時間も経ったので、この間に見せた言語習得の過程を「上級編」として振り返って見たい。「上級編」というからには、文の形成というかなり高度なレベルに達してきており、また、異なる言語を使い分けることも段々顕著になってきている(今のところは語源は日本語かポーランド語の2ヶ国語に限られているが)。今回は例文などを使って紹介しよう。

>まずは語彙から。

オウチ (Ouchi)
:「家」のこと。といってもどんぐり達が住んでいる「自宅」の意味。語源は日本語の「おうち」であることは明らか。ちゃんとどんぐりママと話す時は「ドメ」と使い分けている(次章ご参照)。

ドメ (Dome)
:「オウチ」と同じく「家」のこと。意味は全く同じだが、ポーランド語の「Dom」(=家)や「Domek」(=幼児語でおうち)が語源としており、一応使い分けている(つまり既にバイリンガルとなっている)。「ドム(Domu)」と時々格変化もさせているが、勿論きちんと使い分けているのではなく、まだ気分や日によって違うだけというだけのレベル。

アーメ (Ame)
:日本語でそのまんま、「雨」の意。どんぐり達、特にかゆはこれが大嫌いで外出中に降ってくると非常に神経質になる。残念ながらどんぐりママにも「アーメ」で通しているところを見ると、言語使い分けはまだ出来ていない。ポーランド語の「Deszcz(デシチ)」よりも恐らく発音が簡単なのであろう(聞けば意味は使い分けているので一応バイリンガルではある)。

ドゥワ (Duwa)
:数で「2」、「二つ」という意味。発音を聞くと、特に語尾がフランス語っぽいが(「デュ(2)」と「トロワ(3)」が合体した感じ)、勿論本人達はフランス語はわからないので、恐らく語源はポーランド語の「Dwa(2)」であろう。「一」の概念はわかっているものの、未だに言葉で発したことはなく、いきなり「二」から習得したところからも、双子であることの証なのかもしれない。

ペンチ (Pench)
:数で「5」の意味でよく使われるが、ようは片手で示せる限りの最大数値であることから、「5」以上でも「ペンチ」と言っており、広く解釈すれば「たくさん」や「いっぱい」という意味が近い。面白いのは必ず片手で指を5本広げて「ペンチ」と半ばボディランゲージ化している。語源は恐らくポーランド語の「Piec(ピエンチ」が最も近い。

オッキーヨ (Okkiyo)
:「大きい」という意味と、「たくさん」という意味の二つがある。また、「おっきー」ではなく、必ず語尾に「よ」がくっついて「おっきーよ」となる。

~ケーイ(---keei)
:文の終わりに用いられ、抑揚を伴う。多分英語のOK(オーケー)が語源であろう。両親がどんぐりに言い聞かせる際によく「~、OK?」と文を締めくくるので、その真似から使い始めたものと思われる。

ダメ(Dame)
:日本語の「駄目」が語源であるが、否定文を作る際にも用いられる。次に登場する「んっんー」同様に否定語の機能を有する。

んっんー(n,n-)
:上記の「ダメ」と同じく否定語。語源が西洋言語のようである。

コロル (Koloru)
:カラー(色)のこと。ポーランド語が語源。

パング (Pang)
:パンのこと。なぜか語尾に「んぐ」がついて周る。

ホング (Hong)
:本のこと。上記のパング同様、語尾に「んぐ」がつく。理由は不明。

ホンシカ (Honshka あるいはHonżka)
:本のこと。上記のホングと同じ意味であるが、どうやらこれは和製ポーランド語のようであり、日本語の「本」とポーランド語の「Ksieżka(クシェーンシカ)」の合成語のようである。

ワンゴング (Wangong)
:鉄道の車両をワゴンという。語源はポーランド語。ただし、前述の「パング」「ホング」同様に語尾に奇妙な「んぐ」がつく。

バルコン
:ベランダ(バルコニー)のこと。語源はポーランド語。

ピチュ (Pichu)
:飲み物のこと。ポーランド語の幼児語で一般的に使われるのでどんぐり語特有ではないもののここに掲載した。
 
ジュース
:ジュースのこと(そのまんまや)

リンゴジュース
:これもそのままの意。

ボブ
:「ボブとはたらくブーブーズ」という彼らのお気に入りの番組の主役キャラクター。工事現場で働くボブ(主役のボブはまだ子供であるが) とその仲間の車たち(ブルドーザーやパワーショベルなど)のお話を見て、ヘルメットのことを「ボブ」と呼んだり、ボブが愛用しているトンカチ・ねじ回しなどの道具を指して「ボブ」と呼んだりする。

ラーメン、ソーメン、ウドング
:言わずもがな。日本で人気の麺類の呼称を覚えてちゃんと使い分けている。「うどん」だけ例によって「んぐ」という妙な語尾がつく。

シュウプ
:スープのこと。

アイ (Ai)
:残念ながら「愛」という抽象観念ではなく、「アイス」のこと。食いしん坊のどんぐり達はとことん唯物主義者である。

>語彙とその説明ばかり羅列していても退屈なので、以下例文をいくつか紹介しよう。

例文1) 
えゆ「かいまわにゃむにゃむケーイ、えゆおっきーよにゃむにゃむケーイ。」
訳文:えゆ「かい、お前はご飯ちょっとだけだぞ、えゆがたくさんご飯をもらうんだぞ」

例文2)
かゆ「かいアーメんっんー、べー、オウチ、ケーイ。」
訳文:かゆ「かいは雨がきらい、濡れるの気持ち悪い、だからお家にいたいんだよー。」

とにかくこの「~ケーイ」は二人の会話を聞いていると、よく連発される。強く自己主張する際にそれが顕著である。

例文3)
えゆ:「パパ、あい、おっきーよ。えゆも、おっきーよ、あい、ちょこ?」
訳文:えゆ「パパのアイス、大きいね。えゆも大きいアイスが欲しい、チョコ味のくれる?」

何となく「どんぐりワールド」がわかっていただけたでしょうか?